震災対策技術展レポート:ミズノマリン

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ミズノマリンブースでは、小型船舶免許で操縦が出来る救難艇が展示されていた。

キールクーリングシステムを採用することで、エンジン冷却の可用性を高めた船体で、津波時など瓦礫と一緒に流された場合、航行した際にも、冷却系が機能するようになっているという。

通常の船舶は、ラジェーターに海水をポンプで循環させて冷却をする機構になっているが、災害時などでは海上、海中にあるゴミや瓦礫などを吸い込んでしまい、詰まるなどして冷却が機能しない恐れがあると言う。キールクーリングシステムは、自動車のエンジンの冷却と同じように循環パイプの中を冷却液で満たしており、船底に露出させた冷却パイプを通す事で、海水による冷却を行う仕組みとの事。

25人乗りとより大きな50人乗りのモデルがあるということで、小型船舶免許で通常航行するときは、9人が定員となるが、緊急時に救難艇として使用する場合には25人ないし50人まで乗り込んで避難する事が可能だという。展示されていたモデルは25人定員のモデル。

用途としては、沿岸部に設置もしくは停泊させておき、震災などで津波の恐れがあり、高台などに逃げられない場合に沖に出て津波の被害を逃れるというもの。津波が収まったあと、戻って来れるだけの燃料、航続距離が備わっている。コストパフォーマンスやメンテナンスなどの都合もあるので、ただ保管しておくだけでなく、普段は釣り船、レジャーボートなどとして使用して、緊急時には救難艇として活用すると言った使い方も提案して結いたいという事だ。