ガジェットから雑貨に移りゆくスマートフォン


NuAns NEO [Reloaded]の発表会は、ある意味現在のスマートフォン市場を象徴するような内容だった。

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初代NuAns NEOはWindows  mobileを搭載し、「Continuum」対応を高らかにうたい、Androidはレッドオーシャン(成長しない市場)と切って捨てて新しい分野に果敢にチャレンジした製品だった。その1年後、発表された新しいNuAns NEO [Reloaded]は、一転Androidを搭載。おサイフケータイにも対応した「レッドオーシャン」市場に投入される端末だった。

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個人的な感想としては、「勝負する意味がないレッドオーシャン」と切って捨てた1年後に、市場のニーズに迎合したNuAns NEO [Reloaded]を何事もなかったように投入する行為は、ある意味正解なのだろうと思う。なによりも、今回のNuAns NEO [Reloaded]は、スマートフォンを買う、しかもキャリア端末ではなくSIMロックフリー、MVNO業者から購入する端末の求めるものとして必然性を持ったスペックと価格であるとも言える。

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今だからこそ言えるのだが、初代NuAns NEOも、コンセプトとしては、「雑貨」としての位置づけなデザイン、交換可能なカバーなどの基本設計を内包していた。しかし、Windows Mobileで、「Continuum」対応というガジェット好き、ギーク向けの機能を搭載したことで、コンセプトが揺らいでしまった印象は否めない。

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もちろん、ギーク向け、マニア向けの端末は、一定のニーズがある。しかし、それはその役割を期待されたメーカーが行うことで十分に満たされてしまうものだ。メーカーとしてはユーザーのリクエスト、ニーズに応えたということになるだろうが、結果として、「レッドオーシャンで魅力がない」市場に戻ってこざるをえなかったのだ。

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繰り返すが、今回のAndroid端末のリリースは、過去にAndroid市場はレッドオーシャンで魅力がないと言ったことを臆面にも見せずに投入したことは賞賛に値する。しかも、キャリア端末以外では初となるおサイフケータイに対応しているなど、「普通に使える便利なケータイ」としてとても魅力的な端末になっている。つまり、スマートフォンという製品カテゴリがコモディティ化しており、もはやガジェットやテクノロジー製品ではなく、生活用品、雑貨のカテゴリーに移ってきたのではないかと思う。とすると、NuAns NEOの着せ替えカバーの仕組みはとても雑貨らしく、個性を演出する機能として優れていると言える。

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そう考えると、iPhoneが日本独自仕様のSuicaに対応したり、防水になったり、カラーバリエーションを充実させてきたということも納得できるのだ。

初代の「Continuum」対応Windows Mobile端末というコンセプトは、高く評価している。しかし、ミドルレンジのCPUではやはり力不足で、その魅力を発揮できたとは言い難い。一方、初代のデメリットをクリアし、ユーザが求める機能を必要十分に盛り込みリーズナブルな価格に抑えたNuAns NEO [Reloaded]は、まさに「雑貨」として自分らしさを演出する「アイテム」になり得るものだろうと思う。だからこそ、なんのメッセージも、総括もなく、相反する端末が市場に存在することが残念でならないのだ。